お知らせ
緑内障について(健診、眼科受診の有用性)
2025年01月16日
緑内障は眼圧が高くらないと発症しないと考えてる方が多いとおもわれます。
また視野が狭くならないと心配がいらない疾患であると思われている方も多いようです。
眼圧の正常値は20mmHg以下であることは確かですが、実際の緑内障は視神経の強さが体質的に弱く通常と人では耐えられる20mmHg以下の眼圧で人によっては耐えられない負担となっていることがあります。
例えるなら通常の人では軽く持ち上げることができる重さのものでも力もない人では持ち上げることができないことがあると同様のことです。
この場合自覚的な症状は発症しませんが長期間経過しますと網膜視神経線維層が減少していき網膜で受けた情報を脳の視覚中枢に伝えにくくなり視野障害をやがて起こします。この状態を正常眼圧緑内障、低圧眼圧緑内障といい緑内障の大部分はこのタイプのものです。
皆様は緑内障になると視野が狭くなると考えていると思われますが緑内障の場合視力をになっている部分の黄斑部周辺部の視野は最後まで保たれているため自覚的に視野の異常を感じることは緑内障の末期になるまでないでしょう。
健診でよく聞く視神経乳頭とは眼からの情報を脳の視覚中枢に伝える視神経が眼の網膜に入ってきている部分で眼底写真で見ると白く丸い点として見えます。この部分には網膜がないため物を見るのに必要な部分で実際視力のほぼ全てを担っている黄斑部のわずか側面に視神経乳頭は存在しますが視野検査をしますと光すら感じない部分なので片目ずつ試しても中心部の側方に真っ黒に抜けた黒い部分があることを認識できません。(視野検査をしますと真っ黒な点として表示されます。)
人はものを見るとき無意識に視線を物体に向けたり首を動かしたりしてみますのでなをさら視神経乳頭の部分の視野欠損を認識できないでしょう。残念ながら正常眼圧緑内障、低眼圧緑内障を自覚することはできません。そのため健診が重要な役割をはたします。ただ眼底写真を撮影するだけで視神経乳頭の形状を撮影しその後と精査をするきっかけをつくってくれます。
あとは眼科で三次元画像解析装置(OCT)で視神経乳頭陥凹拡大部分につらなる網膜神経線維層の欠損を見つけたに視野検査を行い緑内障を判定を早期の状態からできます。緑内障は現在失明する疾患で第1位にありますがその原因は患者様の自覚がないことにあります。早期に発見できれば点眼薬だけで生涯または長期にわたる視力維持が可能になります。緑内障も手術により治療ができると考えている患者様が大勢いらっしゃると思われますが緑内障の手術は眼圧を可能な限り下降させるもので一度失った視神経を再生する技術は現在ありません。
自覚的な症状がなくてもある程度の年齢になったら眼科を受診し眼底の検診を受けることをおすすめします。