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お知らせ

硝子体出血

2024年08月22日


突然強い飛蚊症が出現し視力障害も発症した場合は硝子体出血が疑がわれます。(軽度の場合は飛蚊症程度しか感じられない場合もあります)硝子体とは虹彩より後ろの眼球内の大部分を満たしている本来透明などろどろとした物質でこれが混濁すると飛蚊症の原因にもなります。本来硝子体には血管がないため硝子体出血といっても硝子体そのものからの出血ではありません。出血の原因となる血液は硝子体周辺の網膜、視神経乳頭上の血管、虹彩、毛様体などの血管が破れて出血したものです。つまり網膜側からきたもので網膜が破れたり(網膜裂孔)、網膜の太い血管が破れ硝子体側に出血した場合に発症します。

病態
網膜が弱くなり裂孔が発症し出血したり、強い打撲を受けた場合網膜が破れ網膜から出血したり虹彩、毛様体などの血管が破れて出血して硝子体出血となります。増殖性糖尿病網膜症のように脆弱な新生血管が発症していることも原因になります。出血の量にもよりますが飛蚊症程度のものから全く見えなくなるまで視力が低下する場合もあります。

検査及び治療
散瞳して眼球の中を診察します。打撲などの外傷がなく発症した場合は網膜裂孔が見つかる場合もありますが早期であれば網膜光凝固のみでもちゆします。出血が大量の場合には眼球内部をみることができず超音波断層検査を行うこともあります。しかしこの場合でも病状ははっきりわからないことも多いため1週間程度安静にしていただいてある程度で出血が吸収してから再検査をおこないます。 (試験管に入れた泥水を放置しておくと沈殿して水の部分が透明になるようなものとお考えください)この場合も裂孔がみつかれば網膜光凝固術だけで治癒する場合もあります。超音波断層検査で網膜剥離が認められ眼底の状態が眼底検査ではっきりしない場合は硝子体手術といって眼球内にカッターのようなものを入れ出血を除去し網膜剥離が発症している場合には手術による治療をおこないます。
増殖型糖尿病網膜症により発症した硝子体出血であることが判明した場合はやはり硝子体手術を行いますが弱い血管が数多く発症していたり網膜剥離をおこしている網膜どうしが癒着している場合もあるため治療が非常に難しい場合もあります。

糖尿病網膜症などの基礎疾患がなく打撲などがなく急に飛蚊症が発症し視力低下がをともなっている場合は網膜裂孔に起因した硝子体出血である場合が多いためできるだけ早く眼科を受診すれば網膜光凝固のみで治療可能な場合が多いため放置せず眼科を受診しましょう。