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お知らせ

ドライアイ発症のメカニズムと点眼薬

2023年01月23日


ドライアイは涙液層破壊時間(BUT)が5秒以下でかつドライアイの症状がある疾患です。
ドライアイはパソコンの長時間の使用、コンタクトレンズの長時間の使用、エアコンの使用による湿度の低下などさまざまな要因により目をコーティングしている涙の成分が変化し涙が目を十分コーティングすることができなくなり目が乾燥しやすくなる病気です。
目のコーティングが悪くなると眼精疲労、乾燥感、目のかすみ、異物感などの症状が発症します。
目をコーティングしている涙の構造は表面から油層、液層(水分、ムチンを含む)で構成されておりムチンにより涙の層は目の表面にとどまりやすくなっています。
ドライアイの薬はジクアソルナトリウム(ジクアス、ジクアスLX)レバパミド(ムコスタ点眼液UD2%)などがあります。
ジクアス点眼にはムチンの産生促進や分泌促進作用がありさらに水分の分泌促進作用もあります。ジクアスLXはさらに油分の増加作用が認められており涙の蒸発の防止作用があります。
ムコスタ点眼液UD2%は角膜や結膜のムチンの産生促進をさせることで涙の層を安定化させる作用がありドライアイの改善をします。
しかしドライアイは症状が改善しても点眼を中止してしまうと薬の作用がなくなりまたもとの状態にもどってしまうため継続的に点眼薬を使用することが重要です。
厚生労働省にみとめられた1日あたりの点眼回数はジクアスは1日6回、ジクアスLXは1日3回、ムコスタ点眼液UD2%は1日4回となっているためそれ以上点眼回数を多くしても効果はかわりません。
食事を1日3回とる習慣の方が多いかと思われますがジクアスLXは1日3回使用のため食事にあわせて使用するとわすれず使用しやすいとメーカーも推奨しています。
その他ドライアイのみに適応の薬剤ではありませんが精製ヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン点眼、0.3%ヒアレイン点眼など)も目表面の水分を維持し目のコーティングをする働きがありドライアイの治療にも使用しています。
精製ヒアルロン酸ナトリウムの場合点眼回数にきまりはなく1日に5-6回程度点眼し適宜増減しても問題はありません。
点眼薬にもそれぞれ特長がありジクアス点眼はしみる、めやに(ムチンが増加した場合がおおく薬がきいていると考えて気にしなくても問題ありません)、かゆみ、異物感などがありレバパミドでは一時的な目のかすみ、苦味、点眼時の一時的な結膜の外観上の白みなどがあります。
精製ヒアルロン酸ナトリウムは直接ドライアイの治療をおこなっているわけではありませんが点眼時の感触がいいため好まれる方も多いようです。
先ほど申し上げましたようにドライアイは慢性疾患であり長期にわたる点眼薬の使用が必要で、点眼を中断せず長期にわたる医師による経過観察が重要です。