お知らせ
老眼(老視)
2023年01月10日
老眼とは加齢現象により眼の調節能力が減少する状態のことをいいます。
ほとんどの方(軽度の遠視や眼鏡、コンタクトレンズを使用して遠方視力を矯正している方)は加齢とともに近くの物が見えにくくなるため老眼鏡の使用を考えられることでしょう。
眼鏡を使用しないで遠方視力が良好な方、コンタクトレンズ(遠近両用でないもの)を使用し遠方視力が良好な方、眼鏡(遠近両用でないもの)を使用し遠方視力が良好な方が読書など近方を見るのに必要な距離は25~30㎝ぐらいでこの距離に眼底に焦点を合わせるために必要な調節力は3~4Dです。(近視があり裸眼の遠方視力があまりよくない方は裸眼では眼底より前に焦点(近視が強いほど焦点は眼底より前にきます)がくるため近方に焦点を合わせるために必要な調節力は減少します。)
40歳ころになりますと平均調節力は約4D程度でこの年齢をこえるころから正視の方はそろそろ老眼がはじまります。
症状としては初期は読書時に眼が疲れやすくなります。そのうち30cmの読書距離では見にくくなり書面を離すようになります。
皆様のなかには遠視、近視と同様のカテゴリーの中に老眼があるとおもわれている方が多いように思えます。
さきほど記載させていただきましたように老眼は加齢現象によって発症する調節障害で遠視、近視といった屈折異常とは別のカテゴリーに含まれる現象です。
ですから繰り返しになりますが近視でも老眼になるわけです(近視の場合焦点が網膜の前方にくるため近視の度合によっては裸眼で近方視が可能です)。近くのものが見にくくなった場合は眼科を受診してご自分の屈折状態を調べてもらいましょう。
左右の眼の屈折状態が同じ程度で強い遠視でなければ出来合いの安い老眼鏡でも十分日常生活に不便を感じることなく生活できます。
その場合は眼鏡を購入時に読書などに用いる大きさの文字やパソコンで見る大きさの文字をプリントしてそれぞれご自身で見る距離に置いて出来合いの老眼鏡を度数の弱いものからしだいに強いものに変えていき見えやすい老眼鏡を購入してみてはいかがでしょうか。
それでも見え方に不自由を感じる方は眼科で眼鏡の処方箋を作成してもらいましょう。(加齢とともに屈折、老眼の度数は変化しますので一生同じ眼鏡ですむというわけにはいきません。)