お知らせ
糖尿病網膜症のよく使用される分類
2021年12月09日
糖尿病網膜症は本ホームページでも記載してあるとうり失明する疾患の中で上位に位置する病変です。VEGF阻害剤を眼内に注射する治療法が確立してから視覚障害原因疾患の第2位から現在第3位と改善しています。しかし現在でも視覚障害を起こし疾患の上位にあることにかわりなく内科の医師と眼科の医師による連携が重要だとおもわれます。
下期によく用いられる病期分類を記載しましたのでご参考にしていただければ幸いです。
【糖尿病網膜症の国際重症度分類】
網膜症なし:異常所見なし
軽症非増殖網膜症:毛細血管瘤のみ
中等症非増殖網膜症:毛細血管瘤以上の病変が認められる
重症非増殖網膜症よりも軽症のもの
重症非増殖網膜症:眼底4象限で20個以上の網膜内出血
2象限での明瞭な数珠状拡張、明確な網膜内細小血管異常のうちのいずれかを認める
新生血管を認めない
増殖網膜症:新生血管または硝子体・網膜前出血のいずれかを認めるもの
【黄斑浮腫重症度】
黄斑浮腫なし:網膜肥厚や硬性白斑なし
軽症黄斑浮腫:後極部に網膜肥厚や硬性白斑が認めれる
中等症藁斑浮腫:網膜肥厚や硬性白斑が黄斑部の中心を含んでいない
重症黄斑浮腫:網膜肥厚や硬性白斑が黄斑部の中心を含んでいる
次に糖尿病網膜症病期分類として我が国でよく使用される福田分類を下記に表示しました。
【良性網膜症(A)】
Al:軽症単純網膜症:毛細血管癒、点状出血
A2:重症単純網膜症:しみ状出血、硬性白斑、少数の軟性白斑
A3:軽症増殖停止網膜症:陳旧性の新生血管
A4:重症増殖停止網膜症:陳旧性の硝子体出血
A5:重症増殖停止網膜症:陳旧性の(線維血管性)増殖組織
次に記載した状態が存在した場合には()内の記号を分類に加えて病状をしめします。
牽引性網膜剥離(D)、血管新生緑内障(G)、
光凝固(P)、 硝子体手術(∨)
【悪性網膜症(B)】
Bl:増殖前網膜症:網膜内細小血管異常、軟性白斑、網膜浮腫、線状・火焔状出血、静脈拡張(網膜無血菅野:蛍光眼底造影)
B2:早期増殖網膜症:乳頭に直接連結しない新生血管
B3:中期増殖網膜症:乳頭に直接連結する新生血管
B4:末期増殖網膜症:硝子体出血・網膜前出血
B5:末期増殖網膜症:硝子体への(線維血管性)増殖組織を伴うもの
合 併 症
黄斑病変(M)、牽引性網膜剥離(D)、血管新生緑内障(G)、
光凝固(P)、 硝子体手術(∨)虚血性視神経症(N)、
治療により6か月間以上鎮静化している場合には、増殖停止網膜症とします。