眼科トピックス
- 西新宿さいとう眼科
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点眼薬と防腐剤
点眼薬内に細菌が増殖しないように抗菌剤をのぞいてほとんどの点眼薬には防腐剤が含まれています。
ただ点眼薬に使用されている防腐剤は点眼しても危険性のないような濃度に調整されているため特別な疾患になっていない患者様以外は心配なく使用することができます。さらに角膜保護、修復が目的のヒアルロン酸ナトリウム含有の点眼では角膜障害が起きないような防腐剤が工夫されてふくまれています。
また点眼薬のなかには防腐剤が含まれていないシングルユーズ(1回で使い切り)のものや点眼瓶に特殊なフィルターを取り付け防腐剤が不要なものもあります(日本点眼薬のPFシリーズ、わかもと製薬のNPシリーズなど)。
点眼薬にふくまれているおもな防腐剤の成分を紹介いたします。
防腐剤の種類()内は略号、作用
ベンザルコニウム塩化物(BC):陽イオン性界面活性剤
パラベン類(PB):パラオキシ安息香酸エステル類
クロロブタノール(CB):アルコール類
ベンゾドデシニウム臭化物(BD):陽イオン性界面活性剤
クロルヘキシジングルコン酸塩(CH):陽イオン性界面活性剤
ソルピン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム等:有機酸及びその塩類
ホウ酸:等張化剤や緩衝剤。
.点眼薬の防腐剤の成分として殺菌効果は、塩化ベンザルコニウムが最も強いとされていますが先に記載したように点眼薬に実際使用されているものは角膜障害が少ないよう工夫されています。
しかしソフトコンタクトレンズは薬物を吸着しやすい性質があるため、防腐剤の成分を吸着し角膜障害を引き起こす確率が上昇するため防腐剤の含有物質に注意が必要です
1日使い捨てタイプのコンタクトレンズやハードコンタクトレンズの場合は通常心配はありませんが使用して調子が悪い場合は眼科医に相談しましょう。