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コンタクトレンズによる角膜障害

2024年10月10日


今日コンタクトレンズは幅広い年代の方が使用し生活必需品となっています。各メイカーからさまざまな種類のレンズが開発されていますが基本的に注意事項、角膜障害を起こすメカニズムは同じです。コンタクトレンズによる角膜障害はコンタクトレンズ自体による角膜上皮細胞の涙液層の障害などが引き起こす角膜上皮細胞の代謝症害、角膜上皮細胞への細胞浸潤、細菌などの感染症などがありますが角膜病変が角膜中央部の発症すると強度の視力障害を引き起こすことがあります。毎日習慣でコンタクトレンズを使用している方は非常に多くなっているためこれらの病変が発症する方は非常に多くなっています。毎日使用しているためコンタクトレンズを装用したまま夜脱着せず睡眠ととってしまったり異物感が発症した場合でもそのまま使用している方は非常に多くいます。最近では通信販売でもコンタクトレンズは購入可能となっておりまた眼科に処方箋だけもらいにきてそのデータでコンタクトレンズを通信販売や安く買えるショップを探して購入する方が激増していますが気楽に使用していると角膜上皮から内皮細胞にまで障害を起こし一生コンタクトレンズを使用できなくなる場合もあります。

10数年前から保険改定で厚生労働省はコンタクトレンズ検査をまるめで医療費を非常に安い値段で検査がせきるよう設定してしまっているいるのでコンタクト使用者は大したことのない検査で受けなくても問題ない検査だという認識をもってしまったようです。2005年4月の薬事方でコンタクトレンズは透析器、人工骨、人工呼吸器などと同様の高度管理医療機器として、副作用、機能障害を生じた場合の人体へのリスクが高いものといちずけられました。日常生活になにも気にせずしようしている方が現在大多数だと思われますが先に記載した様に非常に注意しながら使用していかなければならない機器であると認識していくことが重要でしょう。眼鏡のように角膜に接触しない矯正用具であれば何も問題なく日常使用はできますがコンタクトレンズは自己管理をしないとおおきなトラブルを起こすと厚生労働省は注意を促しているものと思われます。ですからディスカウントショップ等でなにも検査せずカラーコンタクトレンズを購入したりコンタクトレンズを処方箋だけで購入して自覚的な不都合が発症した場合最悪角膜移植をしないと視力障害が改善しない場合も起こりえるのです。コンタクトを購入し定期的に眼科を受診する方は医師のスリットランプで角膜検査を受けるとき時間の短さから大したことはしていないと考えている方が多いようですが、レントゲン写真を見て一瞬で骨折がわかるようにスリットランプで角膜状態は一瞬で判定できます。コンタクトレンズの定期検査は日本眼科学会が認めた眼科専門医に診察してもらいましょう。全てはご自身のためで大事な眼も健康を値段が安いからという理由でおろそかにしているとあとで後悔しても元に戻らない後遺症をのこすことになります。

角膜障害の病態
多くは片目に発症し部位は角膜中央部です。

1, 点状表層角膜炎 
長期コンタクトレンズを装用している場合に認められ悪化すると角膜びらんに発展し強い視力障害と痛みを伴います。
角膜への酸素供給不足による上皮細胞の代謝異常による上皮欠損が原因です。

2, 細胞浸潤
角膜周辺部に多く認められ肉眼でも角膜中に白い斑点として認められ強い痛みをともないます。
3, 潰瘍多くは感染症によって生じると考えられますが、擦過、培養検査で菌が検出されないことが多いです。起因菌としては緑膿菌、黄色ブドウ球菌が多いとされています。抗生物質に反応しない場合は真菌感染、痛みが強く単純ヘルペス様病変の場合は症例としては珍しいですがアカントアメーバ感染も考慮する必要があります。

検査
1, スリットランプ検査
毛様充血、上皮細胞欠損、細胞浸潤と混濁、潰瘍の有無を検査。フルオレセイン染色により検査をすると判定がはっきりします。角膜病変が強い場合は前房内に細胞、フレアがみとめられます。
2, 細胞、真菌検査
病巣縁の擦過標本の直接顕微鏡検査、病巣または結膜、コンタクト保存液の培養と菌薬剤感受性の検査

診断 
1, コンタクトレンズ装用の既往
2, 自覚症状
異物感、充血、流涙やまぶしさ、(軽度の場合ソフトコンタクトを装用しているとレンズが病巣をカバーするので症状が軽減する場合があります。)
3, スリットランプ検査
充血、フルオレスセイン染色で上皮細胞の欠損範囲や形状の観察

治療
1, コンタクトレンズの中止
2, 薬物療法
まず抗生物質(抗菌剤)点眼、軟膏を使用して経過観察をしていばほとんどのものは治癒します(必要に応じ抗生物質の内服、ステロイドの点眼(角膜周辺部障害の場合)が必要なことがあります。)コンタクトレンズは病巣が治癒するまで中止しまければいけません。(ほとんどの場合1-2週間以内に治癒します)
治療しない場合には標本から得られた原因の病原病原体に対する治療をおこないます(原因病原対が判明するまで1週間以上かかるためたいていの場合判明するまでに抗菌剤の点眼、軟膏などで治癒します。もちろんコンタクトレンズは完治するまで中止です。)

眼は生活していくのに重要な感覚器官です。(両目を閉じているとなにも行動できないことでの重要性がわかるでしょう)
コンタクトレンズは便利の医療機器ですが油断せず注意して使用しましょう。