お知らせ
失明の原因となる主な疾患
2024年03月07日
失明の原因となる疾患で1位は緑内障(20,9%)、2位は糖尿病網膜症(19%)、3位は網膜色素変性症(13.5%)、4位は加齢黄色斑変性症(9.3%)と報告されています。
1位の緑内障は急性閉塞隅角緑内障以外の病型は正常眼圧緑内障で緑内障の約85%をしめており健診などで早期発見をして加療をうけていれば失明をまぬがれることや進行を遅らせることができます(最近は点眼薬の進歩もあり予後はよくなってきていますす)。
2位の糖尿病網膜症も健診で早期発見し内科で全身的な血糖価のコントロールをしっかりと受け眼底検査を定期的にうけていれば失明をまぬがれたり進行を遅くすることができます。
3位の網膜色素変性症は残念ながら治療法はなく非常にゆっくりと進行していきますが経過観察を行うしかありません。
4位は加齢黄色斑変性症は最近では三次元画像解析装置の発展で進行を的確に把握できるようになったことや硝子体注射薬の開発で予後がかなり改善してきています。
1位の緑内障のなかで急性閉塞隅角緑内は通常無症状で発症しますと急激な視力低下を起こし神経線維の弱い患者様は早期に失明しる可能性があります。
いずれの緑内障も眼科で健診を受ければ(通常の健診では不十分の点がありますので眼だけは眼科でも健診をうけましょう。
例えば通常の健診では眼底写真で視神経の形状や網膜の色調のみで病変を判定される場合が多く見落としをする可能性もあります。
急性閉塞隅角緑内障の場合は眼内の房水の循環障害が突然発症して急激な眼圧上昇を起こす病気で眼科で細隙灯顕微鏡で房水を排出する隅角の形状を観察するすることが発症する防止に大きく関係してきます(通常の健診では眼科医が細隙灯顕微鏡を用いて検査を行うことがないため検出されることはありません)。
眼のなかでは房水といって眼内に産生された水分が隅角から眼外へ排出されこの産生と排出のバランスにより眼圧の調節がなされています。最近では10~20mmHgまでが正常眼圧とされています。
ほとんど加齢現象で起きることですが隅角の形状が狭くなり(原発性閉塞隅角症といいます。)睡眠薬を内服したり顔を長時間下方にむけていたり他科で全身疾患で内服薬を投与されていたりするなど様々な原因が重なってこの原発性閉塞隅角症のある方から急性閉塞隅角緑内障は発症します(ドラッグストアの薬の添付文章に緑内障の患者様は使用不可と記載されている緑内障はこの原発性閉塞隅角症がある方ですが患者様は無症状ですし緑内障と診断されたこともないことから薬を使用して発症していまうこともあります)。
さきほど示しましたように通常は無症状でめったに発症することはありませんし発症しても早期に総合病院に受診すれば通常は治癒しますがまれに慢性的な緑内障になったり失明してしまうこともあります。
隅角が閉塞すると突然発症するため病態は心筋梗塞の初期の場合とにているかもしれません。
原発性閉塞隅角症は病状が発症する前に光彩光凝固術を行ってしまえばほとんど通常の眼の状態になるので眼の心配をせず薬の種類を気にすることもなく通常の生活ができます。
原発性閉塞隅角症の治療に入院の必用はなく予防的治療中も痛み苦痛もなく治療した日から通常の生活ができ治療による合併症もありません。
心配がある方は眼科を受診し必要なら光彩光凝固術を受けることを進めします。(勘違いをしやすいので繰り返しお話しますと症状が全くなく長期にわたってゆっくり進行する正常眼圧緑内障と原発性閉塞隅角症があり突然重篤になる急性閉塞隅角緑内障は全く異なった原因で発症するため別の疾患と考えていいでしょう。
したがって正常眼圧緑内障でも原発性閉塞隅角症がある状態では急性閉塞隅角緑内障もおこしえます。)眼科を定期的に受診(40歳以上の方は特に)し眼科医の指導を受け健康な視力を維持しましょう。
当院では緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄色斑変性症などの疾患に対してしっかりとした診断、経過観察をおこなっています。