お知らせ
ドライアイとフルオレセインの角膜染色のパターンによる治療方針
2021年10月07日
ドライアイの診断基準は1、眼不快感、視機能異常の自覚症状を有する2、涙液層破壊時間(BUT)が5秒以下 (2016年版)となっています。
BUT は 角膜をフルオレセインで染色し軽く瞼を閉じたのちすばやく開いた状態で角膜染色の破壊時間を測定した値です。涙液層が破壊される時間のみでなく細隙灯顕微鏡で瞼を開いていく過程のフルオレセインの染色状態が破壊していくパターンを観測することで治療の方針をかなり決めることができます。
1 瞼をぱっと開いた直後の染色タイプ
Area Breakタイプ :角膜表面全体の涙液層が破壊されている状態は涙液減少型と呼ばれ重傷なタイプで水分の確保を重点的に行う必要があります。
Spot breakタイプ:部分的に涙液層が破壊されている場合は水漏れ性低下型と呼ばれ膜型ムチンの補充を優先して治療を行います。
2 瞼を開いている途中(フルオレセインの上方移動中)の染色タイプ
Link breakタイプ:角膜周辺部の涙液層がすでに破壊されてきている場合は涙液減少型の中等症までの状態で水分補充を優先して治療を行います。
Dimpule breakタイプ:水漏れ性低下型と呼ばれ膜型ムチンの補充を優先して治療を行います。